【総支配人西川克志 インタビュー】
BELLUSTAR TOKYOを彩った桜が、扇子に生まれ変わる。
“桜アップサイクルプロジェクト”に込めた想い
【総支配人インタビュー】
BELLUSTAR TOKYOを彩った桜が、扇子に生まれ変わる。
“桜アップサイクルプロジェクト”に込めた想い
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2024年春、BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel の館内を彩った桜。八重桜、陽光桜、鬱金桜…各地からこだわりの生花を運び込み、訪れた皆さまに桜花爛漫のひとときをお楽しみいただきました。
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そんな桜たちが、1年の時を経て新たな姿となって帰ってきます。本来であれば廃棄されてしまう花と枝を、桜染めの材料としてアップサイクル。たおやかな扇子へと姿を変えて蘇りました。
職人の手仕事で作られ、一つひとつが微妙に表情の異なる仕上がりに。端正な佇まいに宿るのは、BELLUSTAR TOKYOが大切にする“和”の美しさと、サステナブルの精神です。そんな“桜アップサイクルプロジェクト”に込めた想いを、皆さまにお伝えします。
“本物の桜”に触れる体験を提供したい
日本の春を象徴する桜。ここ数年はインバウンドの増加も著しく、海外から桜を求めて来日するお客さまも珍しくありません。ホテルでお過ごしになる間も、美しい日本の桜を満喫していただきたい。そんな想いから、BELLUSTAR TOKYOでは春に桜を装飾する取り組みを始めました。本物の桜を装飾することが、企画開始当初からのこだわり。総支配人・西川克志はこう話します。
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西川「桜を装飾するからには、生花を使わなければ意味がないとまず考えました。“本物”の花に触れたときのお客さまの反応は、やはり特別なものです。手間もコストもかかりますが、お客さまに喜んでもらうためには、生花以外の選択肢はありませんでした」
ひと口に桜といっても、さまざまな品種があります。それぞれの開花のタイミングを見極めながら、見頃にあわせて入れ替えを行いました。
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西川「春になると日本のあちこちで桜は咲きますが、その花を至近距離で見つめる機会は意外と少ないものですよね。お客さまからはたくさんの好評の声をいただきました。皆さまが楽しそうに写真を撮っている姿が印象に残っています。花びらの一枚一枚やつぼみのひらく様子まで、じっくりご覧いただけたのではないでしょうか」
“地球にやさしいホテル”を目指すからこそ、花を飾って終わりにしない
しかしながら、生花を飾ったあとには大量の花と枝が残されるという側面もあります。これらは本来廃棄されてしまうものですが、BELLUSTAR TOKYOではSDGsの観点から、捨てずに「活かす」道を模索しました。
西川「私たち東急ホテルズ&リゾーツでは、“地球にやさしいホテル・まちにやさしいホテル・ひとにやさしいホテル”という3つのサステナブル方針を掲げています。BELLUSTAR TOKYOでは日頃からバスアメニティボトルの循環型リサイクルなどに取り組んでいますが、今回も資源の有効活用を念頭に、アソシエイツ(※)同士でアイデアを出していきました」
※私たちは、社員を「アソシエイツ」と呼んでおります
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話し合いを重ね、日本らしさも感じられる「桜染めの扇子」へのアップサイクルが決定。プロダクト制作に向けて動き出したものの、完成までには苦労もありました。企画宣伝担当者が振り返ります。
担当者「最も大変だったのは、制作を依頼する職人探しです。素材の持ち込みや小ロットでの制作を相談できる工房がなかなか見つからず…あちこち奔走し、縁あって東京・蔵前のマイトデザインワークスさん、山梨・富士吉田のWatanabe Textileさん、京都・伏見の舞扇堂さんにお願いすることに決まりました。各社の皆さまに私どもの想いを共感いただき、ようやく制作が実現したのです」
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染め前の糸
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糸を桜染めに
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生地に織られて扇子に
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織られた生地
扇子の制作工程は大きく分けて3つ。東京で染められた麻糸が山梨で生地に織られ、京都で扇子に仕立てられます。2024年に咲いた桜が日本各地の職人の手を経て、ふたたびBELLUSTAR TOKYOに戻ってきたのです。
桜アップサイクルプロジェクトの製造工程について、こちらの記事もご覧ください。
→『捨てられてしまう「桜の花と枝」を新たなカタチに。』